2013年11月7日木曜日

血液学_血液凝固

ローマ数字で覚えようとすると記憶の定着が悪いので、ギリシャ数字で書く。
カスケード反応の全体図を一度書いてみて幹と枝を意識して覚えてしまう。


Ⅴ=5、ⅤⅡ=7、ⅤⅢ=8、ⅠⅩ=9、Ⅹ=10、ⅩⅠ=11、ⅩⅡ=12、ⅩⅢ=13
aは活性型のこと

凝固のカスケード

線溶(線維素溶解)

第1相は外因系と内因系の2つに分かれる
第2相、第3相は共通系
第2相 Ⅱプロトロンビン→Ⅱaトロンビン
                   ↓
    第3相 Ⅰフィブリノゲン→→可溶性フィブリン→安定化フィブリン

血小板凝集+フィブリン=血小板血栓
これで不可逆的凝固の完成である

外因系→PTプロトロンビン時間 内皮下細胞の組織因子TF=凝固因子Ⅲ
PTの延長=外因系凝固因子7の欠乏を疑う
内因系→APTT部分トロンボプラスチン時間
APTTの延長=8、9、11、12、HMWK(高分子キニノーゲン)、PKの欠乏を疑う。一部のフォン・ヴィレブランド病。

血友病A 凝固因子8の欠損
血友病B 凝固因子9の欠損
血友病は粘膜や臓器における深部出血が特徴的
血管性紫斑病(アレルギー性紫斑病) 凝固因子13の欠損
ビタミンKが不可欠な凝固因子は2、7、9、10
またプロテインC、プロテインSでも不可欠

血液凝固の制御機構
①血漿中のアンチトロンビンはトロンビンや10aを不活化して凝固反応を抑制する
②血漿中のプロテインCは血管内皮細胞上のトロンボモジュリンに結合したトロンビンによって活性化される。活性化したプロテインCはプロテインSを補助因子として5aや8aを不活化して凝固反応を抑制する。
※活性化プロテインCには線溶効果がある。それはプラスミノゲンアクチベータインヒビター(PAI-1)不活化、TAFI活性化抑制などである。


用語説明
PAI-1
血漿中のt-PAやu-PAと複合体を作るとそれらの酵素作用を即時的に失わせ、血管内に生じた血栓の溶解反応の制御を行う。
t-PA
組織型プラスミノゲンアクチベータのこと。血管内皮細胞で産生され血液凝固反応で生じたトロンビンの刺激で放出される。特にフィブリン血栓上でプラスミノゲンに直接作用する。
プラスミノゲン
t-PAの作用を受けて広範なプロテアーゼ作用をもつプラスミンになる。
プラスミン
フィブリンやフィブリノゲンを分解してフィブリン/フィブリノゲン分解産物を生ずる。5、8、13、補体なども分解して不活化する。
TAFI
トロンビン線溶阻止因子のこと。肝臓で前駆体として合成され、トロンビンで活性化を受けて生じるTAFIaは線溶系を阻害する。
ヘパリン
静脈系血栓症に効果的な薬品。ヘパリンコファクターⅡと複合体を形成してトロンビンの活性を阻害する。抗凝固作用は即時的に出現する。有害事象は出血傾向でAPTTが投与前の2~3倍になるように調節する。
ワルファリン

カスケード反応
①外因系・内因系による10aの産生
②5a-10a複合体による2プロトロンビン→2aトロンビン
③2aトロンビンによるフィブリノゲン→可溶性フィブリン